飛鳥早朝散歩

Asuka120111002

Asuka220111002明日香村のB&Bに泊まった翌朝、ひとりで早朝散歩に出かけました。B&Bは川原寺跡の近くです。そこから飛鳥寺辺りまで、薄明るい中を歩きました。

この辺り、何度も自転車や徒歩で通ったことのある道です。川原寺から、川沿いの遊歩道がつづいています。でも、飛鳥の地図はなぜか全然頭に入らなくて、どっちの方角に向かって歩いているのかは相変わらずわかりません。

Higanbana20111002昨日も来た、弥勒石の近くまでやってきました。そう大きくない覆屋が道の先に見えます。かすかにかかる朝もやの中、守り神を祀る場所は静かな存在感をたたえていました。

帰りは、伝飛鳥板蓋宮跡を通りました。石敷の四角いスペースや溝、建物の跡を表すらしい植え込みや柱が立てられ、一見して遺跡っぽいところです。
ここが本当に板蓋宮跡だとすれば、645年に蘇我入鹿が暗殺されたのはまさにこの場所。歴史の大舞台です。想像しようとしてもなかなかうまくいきませんが、感覚の鋭い人であれば、地面から立ち上る気のようなものを感じられるのかもしれないなあ、なんて思ったりしました。
Itabukinomiya20111002
(訪問日:2011.10.2)

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案山子ロードと彼岸花

Inabuchi420111001

前回の奈良旅からわずか2週間!また来ました(汗)
今回は友人と一緒です。この友人は奈良リピーターで、このところ毎年一緒に来ています。奈良の中では飛鳥がいちばん好きらしく、理由は「前世は飛鳥人だったから」なんだとか。

この友人のリクエストで、1日目は明日香村。稲淵の案山子ロードに行きたいそうです。
飛鳥駅前のコッコロ*カフェでランチ後、レンタサイクルを借りて出発しました。友人は、高松塚古墳の前あたりでもう弱音を吐いています。大丈夫かなあ。

Inabuchi120111001Inabuchi220111001いい年の2人が自転車を立ちこぎしながら、やっとのことで稲淵に到着しました。道の脇に自転車をとめて、飛鳥川に架かる橋の下をくぐり、案山子ロードに入っていきます。棚田の畦には彼岸花の赤い帯。
今年もたくさんの案山子が作られていました。家族をテーマにした作品が多くて、ほっこり和みます。ジャンボ案山子は大きな観音様?でしょうか。
棚田の中を歩いて歩いて、大満足の私たち。朝風峠のベンチに座ってしばし休憩していると、吹き抜ける風が気持ちいいこと!

Inabuchi320111001稲淵でエネルギーを充填した私たちは、すっかり元気になって、自転車で飛鳥の田舎道を走り回ったのでした。大好きな弥勒石や板蓋宮や飛鳥寺、天武・持統天皇陵や欽明天皇陵などなど。最初は自転車が辛そうだった友人ですが、いつの間にか飛鳥サイクリングがえらく気に入った様子でした。

この日の宿はB&B ASUKAさん。お洒落な家にホームステイしているような気分になる、素敵なところでした。そこらのホテルより広くて快適なお部屋と、優雅な朝食を提供してもらえて、料金もそこそこリーズナブルです。
ただ、ここでは全ての店が早々に閉まってしまうため、油断すると夕食にありつけません。奈良市内でさえそうなのですから、明日香村ではいわずもがなですが…。観光地とは思えないこの感じ、さすが奈良です。まあ、そこがいいんですけどね。
(訪問日:2011.10.1)

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初秋の白毫寺辺り

Byakugoji220110918

朝一番に白毫寺へ行きました。たぶん萩が満開だろうという予想は大当たり。いちばんきれいな時期に来ることができました。
白やピンクの萩が石段の両側で咲き誇っている中を、ゆっくりゆっくり登りました。毎年9月には奈良にやってきているので、どこかしらのお寺で萩を見ている気がしますが、私の好みとしては白毫寺の萩がいちばんかな、と思います。この石段を登っていると、ふわふわの花に囲まれて、とても幸せな気分になるのです。

Byakugoji120110918本堂はひんやりと薄暗く、ホッとする空間です。思えば、私が白毫寺に来るときは暑い日が多いみたいで、いつも逃げ込むように本堂に入って座り込んでいる気がします。阿弥陀三尊の涼やかな表情が、余計に熱を冷ましてくれるようです。

境内には萩の他にススキなんかもあって、見た目はすっかり初秋の風情でした。石仏の並ぶ小径を歩いたり、花のない五色椿を見上げたり、すばらしい眺望を楽しんだりしているうちに、1時間ぐらいあっという間に過ぎてしまいます。
宝蔵の仏さまたちも大好きな方ばかりで、床の真ん中に座ってひとしきり眺め回しました。いや、眺めるというよりも眺められているというべきか。居並ぶ地獄の役人さんたちの視線、なかなかくせになりますね。

Byakugojicho220110918白毫寺を出て、少しだけ周辺を歩いてみました。ふと、見覚えのある石の道標を発見。以前、入江泰吉さんのモノクロ写真で見た道標によく似ています。
「右 かすが ちか道 大ぶつ」の文字と、この辻の感じ。周囲の景色は全く変わってしまっていますが、たぶんそう。何だか感動です。

この辺りはもう、北山の辺の道と呼ばれる道の、はじまりの部分にあたるのでしょうか。


Byakugojicho120110918
(訪問日:2011.9.18)

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奈良だからこそ残っている町

Imai120110917

旅の2日目。今日も小雨模様です。橿原に宿を取っていたので、思い立って今井町に行ってみました。
近鉄八木西口駅から5分も歩けば今井町。足を一歩踏み入れると、大規模な時代劇のセットの中に入り込んだような世界が広がっています。ここに来るのは2回目ですが、やはり相当すごいところだと思いました。

Imai420110917今井町には江戸時代の建物が数百軒も密集して軒を連ねています。町の歴史は、興福寺の荘園であった中世に始まり、その後曲折を経て、江戸時代には称念寺というお寺の寺内町として発展し、商業都市として大変栄えたのだそうです。今も当時の町割りがそのまま残っており、江戸時代さながらの風景の中で、人々が普通に暮らしています。

今井町のすごいところは、全国的にも他に例を見ないほど貴重な場所であるにもかかわらず、まったく観光地っぽく俗化されていないことです。ガイダンス施設や公開されている家屋、数軒のカフェなどはありますが、全体的にとても静か。昔の街並みが残る場所って、商売っ気出し過ぎだと思うところも多いですが、ここは全然違います。

Imai320110917Imai220110917思うに、今井町がこんなに静かなのは、ここが奈良だからに違いないです。歴史的におそろしく古くて重要なものが多すぎるから、江戸時代の建物がこんなにたくさんあっても、あまり注目されないのでしょう。橿原近辺なら、たいていの人は明日香村に行っちゃいますもんね。

家の軒先は、どこも鉢植えの花で飾られていました。ありふれた花も、ここでは何だか違って見えました。

(訪問日:2011.9.17)

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長谷寺へ

Hasedera120110916

室生口大野駅から二駅分、電車に乗って、長谷寺駅に降り立ちました。
駅から階段をぐんぐん下りて、門前町を歩くこと約15分。目の前に、長谷寺の立派な山門が現れました。
山門をくぐり、399段の登廊を登ると本堂です。

長谷寺の本堂は相当好きです。お堂も、お堂から見える景色も、本尊の十一面観音像も、とにかくダイナミックで寛大で、それでいて優しい。
ご本尊の前に立つと、三方から入ってくる風と自然光が本当に気持ちよく、その場でくるくる360°見回して、雰囲気に浸ってしまうのでした。

Hasedera320110916Hasedera220110916さらに本堂の舞台に出て、けっこう長い時間、景色を眺めていました。眼下に広がる境内の、お堂の屋根がひしめき合う様子を見るのも好きなのですが、何よりも目の前に悠然とそびえる山々と、その向こうの広い空がいいのです。見ているだけで癒されます。

これと変わらぬ景色を、初瀬詣でに訪れた平安貴族たちも見ていたのですよね。
(訪問日:2011.9.16)

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9月の室生寺

Murouji120110916

5月以来、ひさびさの?奈良です。この間4ヵ月、慌ただしく仕事ばかりしていたせいか、いつも変わらずゆったり流れる奈良の風に癒されてきました。

2泊3日の旅の1日目は室生寺、長谷寺へ。お天気は小雨模様でした。
室生口大野駅から室生寺行きのバスは1時間に1本あるかないか。タクシー利用覚悟でしたが、運良くバスに乗ることができました。しかし、乗客は私ひとりで寂しかった…。
室生寺前のバス停で降り、しばらく門前町を歩きます。平日なので土産店や食堂はほとんど閉まっていました。やっと開いていた太鼓橋横の橋本屋さんで昼食をとり、いざ室生寺へ。

Murouji420110916室生寺を訪れるのは4年ぶりでしょうか。前回は紅葉の季節でとても賑やかでしたが、今回はシーズンオフの平日ということで人もまばら。鎧坂を見上げても誰もいません。後ろを流れる室生川の水音がかすかに聞こえてくるだけです。

金堂も弥勒堂も、いつもながら仏さまたちが静かにならんでおられました。山深い室生の里の、宝石のように美しい仏さまたち。しーんとした空気の中で、こころ穏やかに拝することができて幸せでした。

9月の山内は、まだ緑が豊かでした。頭上を覆う楓の葉が、さらさらと揺れています。
石段を登り進むと、やがて現れる五重塔。あでやかで小柄な塔で、この塔を見ると、ここが女人高野と呼ばれるお寺であることを思い出します。

横着して奥の院までは行かず、またバスに乗って室生口大野まで戻りました。
Murouji220110916Murouji320110916

(訪問日:2011.9.16)

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奥飛火野

Tobihino120110515

飛火野の先に奥飛火野という場所があるということを知ったのは、つい最近のことです。その場所に咲く野生の藤が、今年はとても見事だそうな。

Nankinhaze20110515飛火野といえば、あの“鹿男の木”がある一帯の広場のことだと思っていましたが、あの広場を南下すると、その先に新たな広場がぽっかりと現れるのだそうです。それを聞いて、もうとにかく行ってみたくなった私。旅の2日目、朝から出かけてみました。

“春日大社表参道”バス停で降りると、飛火野はすぐ横。広い公園に今日も人はまばらで、鹿の数と同じぐらいでした。
鹿男の木と呼ばれるナンキンハゼのある場所までゆるゆると登って、そこから南へとにかく下ると、広場の途切れたところに、小さなせせらぎがありました。石をいくつか踏みながら渡ると、ああ確かに、その先にぽっかりとした空間が。周囲を森に囲まれて、なんと秘密っぽくて素敵な場所でしょう。
話によると、ここに大きな藤があるはずなのですが、どうやら2、3日前の雨で全て花が落ちたらしく、残念ながら地面に落ちた茶色の花びらしか見ることはできませんでした。
でも、代わりに(?)鹿がいっぱいいました。草を食みながら、ゆっくりと目の前を移動していきました。

Tobihino220110515Tobihino320110515Tobihino420110515

ここからさらに南東に進み、また小川と、小さな林を越えると、別のぽっかり広場が現れました(いちばん上の写真)。ここはさっきのところより少し狭くて、もっと秘密の楽園っぽい別天地。耳を澄ますと聞こえてくるのは、ただ鳥のさえずりのみ。
またいいところ見つけちゃったな-。いや地元の人たちは、みんな知ってるのかもしれないけれど。奈良公園は奥が深いなあと再認識しました。
(訪問日:2011.5.15)

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孝元天皇陵~万葉文化館~春の飛鳥

孝元天皇陵

孝元天皇陵丸山古墳の次は孝元天皇陵。周囲を池に囲まれていて、いかにも古墳という感じです。ただ、他の陵墓と同様、被葬者は不確かなのだとか。
頂上にある拝所まで階段がつくられていて、ちょっとした散策路のようになっていました。緑が豊かで、気持ちの良いところでした。

池は「剣池」といって、大昔につくられた灌漑のための池なのだそうです。池越しに西を見ると畝傍山、東に見えるのは多武峰あたりでしょうか。現代の建物がたくさん建っているとはいえ、万葉の風景なのだなと思います。

れんげ畑そこから1.5㎞ほど東に行って、甘樫丘の休憩所で少し休んで、それからまた1.5㎞ほど自転車を漕いで、万葉文化館に行ってみました。そういえば中に入るのは初めてです。飛鳥では風景にばかり見とれていて、博物館などの施設を見学することは少ないのです。
この日は、安野光雅氏の絵画展が開催されていました。もう30年も前から好きな画家のひとりです。
入鹿の首塚安野氏が描いたたくさんの奈良の風景と、少数ですが仏像の絵。たくさんの水彩画と、日本画が何点か。現実と比べても決して劣ることのない、透明で優しい奈良の風景を見ることができました。

飛鳥寺近くの田んぼは、もう5月も半ばだというのにレンゲが満開でした。今年はいつまでも寒かったせいで、開花が遅れたのでしょうか。入鹿の首塚も、入れ替わり立ち替わりやってくる観光客と春の花に彩られて、いつもよりさらにおだやかに立っていました。
(訪問日:2011.5.14)

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古墳の上の草原

Maruyamakofun220110514

Maruyamakofun120110514飛鳥駅から岡寺駅方面へ自転車をこいで、植山古墳に寄り道したあと(立入禁止だったので離れて眺めただけでした)、丸山古墳に行ってみました。
ここは奈良県でいちばん大きな古墳です。墳丘の全長が310mもある前方後円墳で、全国でも6番目の大きさなのですって。遠くからでも目立つので、墳丘の盛り上がりを目指して行ったらたどり着けました。
後円部の脇に駐車用の空き地があり、そこから墳丘に登れる細い道がありました。道というより、足をかけるための窪みがかろうじてつくってあるという感じで、あとの部分は全て草が生い茂っていました。夏になってもっと草丈が伸びたら、登れないかもしれません。ヘビが出そうだし。

Maruyamakofun320110514後円部は宮内庁の陵墓参考地に指定されているそうで、頂上は樹木に覆われていました。しかし、後円部を囲むように延びている小径を進むと、視界が大きく開けてきました。

これはこれは、なんと爽やかな景色でしょうか。波打つ緑の海。広い空。畝傍山。
目の前に横たわる、大きな草原が前方部です。こうして見ると、あらためて古墳の大きさを感じます。
奈良のお気に入りの場所が、またひとつ増えました。

(訪問日:2011.5.14)

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牽牛子塚古墳で歴女を気取る。

Kengoshizuka120110514

春の陽気に誘われて、ついふらふらと明日香村へ行ってきました。めずらしく古墳巡りがしたくなりまして。
別に考古学マニアでも何でもないんですが、のどかでゆったりとした奈良で、こんもり丸い古墳を見て、ホンワカした気分になりたいと思ったんです。お墓を見てホンワカもないですが…。

歩くよりきついとわかっているのに、少しでも時間を有効に使いたいとレンタサイクルを借りました。
まずは飛鳥駅から線路を渡って裏側へ。古くからある住宅地の中を通る細道は、のっけから上り坂です。途中にある岩屋山古墳は以前見たからスルーして、目指すは牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)。丘の中腹にあるので、自転車を押して登るのが本当につらかったです。

Kengoshizuka220110514_2ここは去年、斉明天皇のお墓だと騒がれた古墳です。珍しい八角形の古墳で、それが皇族の墓であることを物語っているそうです。辺鄙で寂しい場所にあるんですが、次々に人がやってきて、私ひとりになることはありませんでした。やはり話題性のある古墳なんですね。
近くでもうひとつ、大田皇女のお墓と思われる古墳(越塚御門古墳)が発見されたという記事を読んでいたので、すぐ横にあった土の盛り上がった場所をそれだと思って、歴女気取りでカメラを向けていたところ、近くで農作業をしていたおばちゃんに、「それ古墳じゃないですよ」と指摘されて赤面。あわわ、恥ずかし~。
でも、そのおばちゃんは古墳にえらくくわしくて、まるでガイドさんのように、古墳のことや発掘のことをたくさん教えてくれました。探していた越塚御門古墳はもう埋め戻されていて、おばちゃんに教えてもらわなければ絶対にわからなかったと思います。話がはずんで、ずいぶん長いこと立ち話してました。

Kengoshizuka320110514_2牽牛子塚古墳の内部です。真ん中の大きな石柱をはさんで、二つの棺が置かれていたようです。棺は、布を幾重にも張り合わせた上に漆を塗った豪華なものだったことが、発見された破片からわかっているそうです。

しかし、ずっと石室をのぞき込んでいると、さすがに背筋が寒くなってきますね。折口信夫『死者の書』に描かれている、大津皇子がよみがえるシーンを想像してしまいました。
(訪問日:2011.5.14)

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